名にしおはば  逢坂山の  さねかづら  

   人にしられで  来るよしもがな

                     三条右大臣  


<現代語訳>

 逢坂山のさねかずらよ。
 お前がその名の通りなら、
 まるでお前を手繰り寄せるように
 誰にも知られずに会いに来られる方法が
 あってほしいものだがな…。
 



<解説>

 第二十五番。

 詠み人、三条右大臣は藤原定方のこと。

 この歌では「逢坂山」の「逢」と「人に逢う」こと、
「さねかづら」の「さね」と「さ寝(共に寝ること)」が
 掛詞として使われており、
「逢坂山のさねかづら」で「逢って寝ること」の意としています。

 誰にも知られずに愛する女性に会いに来ることが出来れば、という
 定方の心情が吐露されています。

 さねかずらにしてみれば、
「そんな理不尽なことを言われても…」といった感じでしょうか。

 いつかはバレるって、定方さん。




 無 題

 中学の頃、好きだった子がいました。

 その子に「好きだ」と打ち明けた後で、
 何をしたらいいのか、私にはわかりませんでした。

 休日に一緒に何処かへ出掛けたわけでもない、
 図書館で一緒に勉強したわけでもない、
 それどころか、一緒に帰ることすらありませんでした。

 今の子は、こんなことはないんだろうなー、きっと
 まだ子供だったんですかね。
 14の頃の話です。



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