みかの原  わきて流るる  いづみ川  

   いつみきとてか  恋しかるらむ

                     中納言兼輔   


<現代語訳>

 みかの原を分けて、
 湧き出て流れるいずみ川の名の如く、
 あの人をいつ見たということで、
 こんなにも恋しく思われるのでしょう。

<解説>

 第二十七番。

 現代語訳、ちょっと意味不明(笑)

 要は「いつ会ったのかもよくわからない女性への恋心」。
 忘れるなよ(笑)

 ひょっとしたら会ったことがなくて、
 それでも何故か好きになってしまった、というニュアンスも。





 私はあなたではない。
 あなたも私ではあり得ない。

 よく「考え方が似ている」とか、
「言わなくてもわかる」というような言葉を聞きます。

 が、誰しも自分以外の何者でもありません。
 相手の気持ちをわかることなんて、できるはずがないのです。
 ただ単に、こうあって欲しいと思っているだけなのです。
 悪く言うなら「ヒトリヨガリノカンチガイ」。

 だからこそ、言葉に出すことは大切なことだと思います。

 誤解なく己の意志を伝えたいものですね。





前の歌    次の歌      百人一首(51〜) 目次