吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を 嵐といふらむ
文屋康秀
<現代語訳>
吹くとすぐに秋の草木がしおれてしまう。
なるほど、それで、山から吹き下ろす風を
荒々しい山風、すなわち「嵐」と言うわけだ。
<解説>
第二十二番。
『漢字なぜなに辞典』のような歌(苦笑)。
嵐という文字の由来を説明してくれています。
「嵐」と「荒らし」を掛けて、
草木を荒らす山風は嵐だと主張しています。
文屋康秀は六歌仙の一人ですが、
紀貫之に「あいつは俗っぽくてイカン」と
言われたとか言われないとか。
懐かしい人と会いました。
かれこれ、3、4年ぶりでしょうか。
変わってないな、と思った反面、
私自身はどうなのだろうかという
疑問を抱きました。
年月は人を変えます。
ひょっとしたら、全然別の人間になってしまったのかもしれません。
彼は言いました。
「変わってないねー。」
それは「進歩がない」ということじゃないだろうか・・・。
前の歌
次の歌
百人一首(51〜) 目次