由良のとを わたる舟人 かぢをたえ
ゆくへも知らぬ 恋の道かな
曾禰好忠
<現代語訳>
潮の流れの速い、由良の瀬戸を渡っていく船乗りが
櫂をなくして、行く先もわからずに漂うように、
これから先、私のこの恋の行く末も
どうしたらいいのかわからないほどに不安なのです。
<解説>
第四十六番。
この歌の「由良」は京都の由良川が若狭湾に流れ込む辺りのこと。
「と」=「瀬戸・門」です。
恋の行く末は知れぬもの。
将来のことなど確実にはわかりません。
ましてや、相手が存在するのならば、あにはからんや。
わからないからこそ、ドキドキするのでしょう?
ストーカー、なる人種が存在する。
何でも、好意を抱いた相手を付け回し、
相手の迷惑も顧みずに自己アッピール(苦笑)を繰り返し、
相手にされない、と見るや、逆上して襲いかかってくる、という
とんでもない輩のことらしい。
私の後輩がそういった事件に巻き込まれているようだ。
今日、彼女に聞いたところによると、
「昨日は帰り道で追いかけられて捕まって揉み合って首を絞められた。
死ぬかと思ったら、通りかかったタクシーの運転手が助けてくれた。」
おいおい、そりゃ、ストーカーじゃなくて
立派な傷害未遂の現行犯だよ。
犯人は逃走した、ということだ。
私がこんなことを言う筋合いじゃないかもしれないけれど、
その子の危機管理も甘い気がする。
少なくとも、捕まる隙はあったわけだから。
その前に私に助けを求めてくれれば、
五、六人でボコボコにしてやるのだが。
かりにも合気道部元主将なわけだし(笑)
いや、笑い事じゃないな。
早く犯人が捕まってくれるといいのだが・・・。
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