世の中は  つねにもがもな  なぎさこぐ 

  あまの小舟の  つなでかなしも

                     鎌倉右大臣  


<現代語訳>

 世の中は、永遠に変わらないでいて欲しいものです。

 海辺をゆく漁夫の小舟が引き綱を引いている姿は
 しみじみと、いとおしくてたまらないのですから。

<解説>

 第九十三番。
 世の中は無常であると、言われます。
 変わらぬものは、何ひとつないのだと。

 詠み人、鎌倉右大臣=源実朝はそうあってほしくないと願い
 その気持ちをこの歌に託しています。

 広大な大海原に浮かぶ小さな舟。
 その舟が一筋の綱に引かれ、ゆっくりと動いている。
 そうした光景があまりにも儚くて、
 それゆえ、いとおしく感じられたのでしょうか。




 唐突ですが、ミニクーパーの屋根の上に荷物を積んだ姿、初めて見ました。
 似合うものですねぇ。
 非常にいい感じでした。

 運転手の姿を想像して、その後ろ姿を見送りました。

 晴れた秋の日のことです。





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