かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞふけにける
中納言家持
<現代語訳>
天の川。
鵲の渡したと言われる橋は
霜がおりたかのように白い。
まるで、夜空にだけ、冬が来てしまったかのように。
もうすっかり、夜も更けてしまいましたね。
<解説>
第六番。
この歌の解釈、実はもう一つあります。
「宮中の橋に霜がおりて白い。夜が更けてしまったんだな。」
が、それです。
しかし、私個人の解釈として、綺麗な方を採用しました。
天の川の白さを冬に見立てているあたり、
こちらの方が神秘的で美しいと思いませんか?
さすが、家持ち(笑)
「鵲(かささぎ)の渡せる橋」
=「中国の伝説においてかささぎが架けると言われる牽牛・織女の渡る橋」
それが転じて、「宮中の階段」になったと言われています。
そろそろ、冬の星座を見ることができます。
冬の清冽な空気のもと、
眺める星空には荘厳ささえ漂います。
私には、オリオン座くらいしか区別はつきません。
でも、星を見るのは、好きです。
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