長からむ 心もしらず 黒髪の
みだれてけさは 物をこそ思へ
待賢門堀河
<現代語訳>
末永く愛してくれるかどうか、
あなたの心はあてにはできません。
だから、昨夜乱れた私の黒髪のように私の心も乱れて
今朝はひどく物思いをすることです。
<解説>
第八十番。
恋人と一夜を明かした後朝(きぬぎぬ)の別れ。
昨夜の乱れもそのままに思い悩む女性の姿が思い浮かびます。
こうして、後朝の別れを迎えるたびに、彼女の胸を切なさが過ぎるのです。
見えぬ男の気持ちを嘆きながら。
また還ってきてくれることを祈りながら。
長い髪は面倒です。
洗うのが大変です。
気合いを必要とします。
洗った後も大変です。
乾きません。
そのまま寝ます。
風邪をひきます。
朝シャン、不可能です。
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