忘らるる  身をば思はず  ちかひてし 

  人のいのちの  惜しくもあるかな

                     右近  


<現代語訳>

 つれない人。
 あなたに忘れられる私のことなど、どうなっても構いません。
 ただ、私への愛を神に誓ったあなたの命が
 神の怒りに触れて失われてしまうのではないかと
 惜しく思われてなりません。

<解説>

 第三十八番。
 心変わりをした男を責める皮肉の歌、と取るか
 それでもまだ、その男性を想う真心の表現、と取るか・・・。

 現代だからこそ、後者を取りたいと思いますよね。

 でもたぶん、男が悪い。

「そんな男、さっさと忘れてしまえっ!」と
 猫目は言います。




 誓い(約束)は神聖であるべきです。
 たとえそれがどれほどつまらないものだとしても
 いや、つまらないものこそ、守らねばなりません

 このあたり、加藤と同意見です( 参照
 CMしてあげます。





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