あひみての  のちの心に  くらぶれば 

  昔は物を  思はざりけり

                     権中納言敦忠  


<現代語訳>

 あなたに逢って、一夜を共にした後の
 いよいよ募る私の恋心。
 それに比べると、逢う以前の切ない気持ちなど
 物思いなどとは言えないほどのものになってしまいました。

<解説>

 第四十三番。
 古文単語『逢ひ見る』=「男女が深い関係になる」です。

 女々しい男。
 気持ちは分かりますが。

 会って(この場合、普通に「会う」)このように思わせてくれる人は
 なかなか存在しないのが現状のようです。




「恋愛の味は?」と問われたとしたら
 恥ずかしながら「甘酸っぱい」と答えてしまう、猫目です。

 何でもないことに、ドキドキしたりするあの独特の感覚。
 今ではなかなか感じることができませんよね。





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