朝ぼらけ ありあけの月と 見るまでに
吉野の里に ふれる白雪
坂上是即
<現代語訳>
夜明け方、有明の月が出ているのかと見間違えるほどに
吉野の山里に降り積もっている白雪です。
<解説>
第三十一番。
出た、解説に困る歌。
主題「吉野の雪景色」。
以上(苦笑)
一応、体言止め、です(笑)
10月26日、追記:
この歌の背景として、
「あの人と一夜を過ごした、その帰り道ゆえ・・・」
という感情が入っています。
そう、そうだからこそ、雪さえも美しく感じられるわけです。
私もまだまだ読みが足りませんね。
確かに、見るだけなら雪は綺麗です。
しかし、その中で生活、となると、雪は魔物です。
屋根に降り積もった雪は
その重みで戸を開け難くしてしまいます。
冬、屋根の雪を下ろそうとして
何人の老人が死んだとお思いですか?
雪国のボランティアの冬の仕事は
一人暮らしのお年寄りの家の屋根の雪下ろし、なのです。
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