こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くやもしほの 身もこがれつつ
権中納言 定家
<現代語訳>
あなたを待っている私は
松帆の浦の夕凪時に焼く藻塩のように
あなたを慕って身も恋い焦がれています。
私がいくら待とうと、来てはくださらないのでしょうけれども。
<解説>
第九十八番。
権中納言 定家=藤原定家。
和歌史上、最高の歌人、と呼ばれています。
この歌にも序詞・掛詞・縁語などの様々な技法が取り入れられていますが
おわかりですか?
待たされるのはイヤなものです。
ましてや来ない恋人を待つときの心境は
語るに尽くせません。
でも、それでも待ちたいこともあるんでしょうね。
待つことは嫌いです。
だから、相手を待たせるのも同様に嫌いです。
でも、私の寝起きが悪いために
待ちきれなくなった相手に帰られてしまったりとか
そんな経験もあります。
でもね、ホントに待たせるつもりはなかったんですよ。
不可抗力です。
ああ、寝起きの悪さ・・・
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