きりぎりす  鳴くや霜夜の  さむしろに 

  衣かたしき  ひとりかも寝む

                 御京極摂政 前太政大臣  


<現代語訳>

 こおろぎが鳴く、寒々とした夜。
 霜すら舞い降りようとしているではないか。

 こんな夜に、筵の上に片袖を敷いて
 私はただひとりで寝るとは・・・

<解説>

 第九十一番。
 嘆いてますねぇ、この人。

「この私、御京極摂政 前太政大臣様ともあろう者が、何たること!?」
 といった心境でしょうか。
 いや、よくわかりませんけどね。

 でも何だか変わった男。くすくす
 こんなん書くなよ、情けねぇな、オイ、みたいな(笑)




 唐突ですが、蚊、嫌いです。

 独り寝をしていて私だけ蚊に刺される。
 それは理解できます。
 しかし、二人寝をしていてすら、私だけ数カ所も刺されていたという事実。

 私の血はよほど美味しいらしいです、やつらにとって。

 蚊なんて、この世に存在しなくてもいいのに・・・。

 ちょっと艶っぽい話でしたね。
(そうでもないか)





前の歌    次の歌     百人一首 目次