わが庵は  都のたつみ  しかぞすむ 

  世をうぢ山と  人はいふなり

                     喜撰法師  


<現代語訳>

 私の庵は都の東南に位置しており、
 このように心静かに暮らしています。

 それなのに世間の人は
 私が世の中を住み辛く思ってこの宇治山に逃れ住んでいるのだと
 そう噂しているようです。

<解説>

 第八番。
 喜撰法師、面白い人ですね、何となく。
 何の伝承も残っていないだけのことはあります。
 全く風情もなさそうな歌、という印象も受けますが(笑)

「勝手に言ってろ」くらいの心境でしょうか。
 哀しんでいるようには受け取れないなぁ・・・。

「しかぞすむ」は係り結びです。
 係助詞「ぞ」+「連体形」。
 ちなみに「こそ」は「已然形」で結びます。
 基本ですね。
 どうでもいいことですけど(笑)




「楽隠居」という言葉があります。
 憧れます。
 今からそれを目指してみるのも一興かもしれません。

 そのころまで生きていられたら、ですが(笑)





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