いまこむと  いひしばかりに  長月の 

  ありあけの月を  待ちいでつるかな

                     素性法師  


<現代語訳>

「すぐに行くよ」
 そうあなたがおっしゃってくれたばっかりに、九月の夜を待ち明かしました。
 でも、私が待っているはずのあなたの代わりに
 待ってもいない有明の月だけが出てきてしまいました。

<解説>

 第二十一番。
 何故、坊主がこれほど色気のある詩を詠めるのか、ちょっと考えさせられます。
 物の本には『父親の勧めで出家』とありましたが、そのせいでしょうか
 彼に仏道修行は向いていないかもしれませんね





 先日、別れた彼女の夢を見た。
 夢の中で、彼女は白いスーツを着ていた。
 夢の中でもやっぱり彼女は私の話を聞いてくれなかった。
 それもそうだろうな、と思った。

 そんなことよりもショックだったのは、彼女のことを完全に忘れたはずの私が
 そんな夢程度のことで女々しくも傷ついている、という事実。

 女々しい男。

 加藤に嗤われそうだ・・・。





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